天職は、才能を磨ける場所だった
「これが天職です」と胸を張って言える人は、世の中にどれくらいいるのだろう。
・好きだけど、天職と言うほどじゃない気がする
・向いている仕事なら、もっと楽なはずだ
・続いてはいるけれど、このままでいいのか分からない
天職について考えるとき、こんなふうに感じたことはありませんか。
「天職」という言葉はよく聞くけれど、
実際には、しっくりこないまま働いている人の方が多いのかもしれません。
「これが天職です!」
天職って、そんなふうに、ビビビッとくるものだと思っていた。
でも正直、今の仕事に対して、そんな劇的な感覚はない。
楽なことばかりじゃないし、腹が立つ学生だって、たくさんいる(笑)。
それでも——
この仕事を「辞めたい」と思ったことは、一度もなかった。
気がつけば、キャリアコンサルタントとして関わっている大学は、今年で10年目になる。
非常勤で、週に2日という形だけれど、
正社員として働いていた頃よりも、ずっと長く続いている。
帰り道、ふとそんなことに気づいて、
「あれ? これって、天職って呼んでもいいのかな」
そんな考えが、静かに浮かんできた。
そう考えると、少し不思議でもある。
正社員として働いていたころの私は、決して「長く続く人」ではなかった。
新卒で入った会社は1年9ヶ月。
2年間のフリーター生活に別れを告げた後の正社員でも3年2ヶ月。
一番長く勤めた会社でも、5年3ヶ月だった。
今、振り返ると、どの職場も「嫌で仕方がなかった」わけではない。
でも、「ここで働き続ける自分」をどうしても想像できなかった。
そもそも、私自身のキャリアを振り返ると、
「就職」や「会社選び」に対して、ものすごく戦略的だったかというと、そうでもない。
大学生の時の就活も、会社説明会は10社程度。
面接は5社受けて2社から内定。
活動期間は、春に2ヶ月と秋に1ヶ月くらい。
・・・・・・今こうして就活支援の仕事をしている立場としては
「どの口が就活を語っているんだろう」と自分でツッコミまくり(笑)
だからこそ、キャリアコンサルタントの仕事が10年以上続いていることに、自分でも少し驚いている。
正社員として働いていた頃の私は、
「ここに骨をうずめる」という感覚を、どこかで持てずにいた。
仕事を頑張っていなかったわけじゃない。
ただ「続けたい」という感覚がなかった。
正社員時代、何が合わなかったのか、と聞かれると、
実は仕事内容そのものではないかもしれない、と思う。
人事総務の仕事は、給与計算も社会保険も採用も後輩育成も、専門性も責任もあった。
もちろん、ちゃんと「できていた」と思う。
ただ、その仕事は「できて当たり前」だった。
褒められることはなく、ミスをすれば怒られ、時には文句も言われる。
そして何よりつらかったのは、「私じゃなくてもいい」という感覚だった。
頑張っても、どんなに工夫しても、ここにいる「私」が必要とされている感じがしていなかなった。
退職を決めたとき、私の心にあったのは
「この場所に、私は必要ない」という想いだった。
だから今、週2日とはいえ、この大学での仕事が10年続いていることに、自分でも驚いている。
今の仕事は、好きな仕事ではあるが、決して楽ではない。
腹が立つことも、気持ち・体力ともに消耗することもある。
それでも辞めたいと思ったことは、ほとんどない。
それは、
学生が「私」を選んでくれて、面談や相談を申し込んでくれる。
「私だからできることがある」
それが感じられる仕事だから。
私は、学生時代、勉強が大嫌いだった。
今でも、正直、好きとは言えない。
それなのに、周りからは
「ななさんって、すごく勉強してますよね」と言われる。
たぶんそれは、
勉強そのものが好きだからじゃない。
学んだことや、積み重ねてきた努力が、
誰かの役に立つと知っているから。
目の前の学生の力になると感じられるから、
私は学び続けているのだと思う。
「ここに居てもいい」と感じられる場所は、
自分の才能を消費する場所ではなく、
磨いていける場所なのかもしれない。
そう考えたとき、
この仕事が、私にとっての天職なのだと、ふと腑に落ちた。
あなたの仕事は、
「頑張れる仕事」ですか?
それとも
「磨き続けられる仕事」ですか?

