普通できるよねっ!? | Office Aina

「傷つきながら働く人を"0”に!」
厚生労働省人材開発支援事業
「企業内キャリアアップ面談」「人材育成企業内研修」担当

普通できるよねっ!?

私が知っていることを、相手が知っているとは限らない


みなさんは「鶏肉ってなんのニク?」という番組をご存知でしょうか? 
昭和生まれの人間は当たり前だと思っていることを
平成生まれが知っているか?が問題となるクイズ番組なのですが、
ジェネレーションギャップを楽しむ番組だとはわかっていても
珍解答や迷解答が飛び出すのでいつも見ていて驚くやら関心するやら・・・です。

私も旦那も高校生~大学生を相手にする仕事に就いているので、
ある程度平成生まれの相手には慣れたつもりでいました。

が!2000年代生まれが台頭してきた今、もはや付いていく体力すらありません(泣)

発想が斜め上と言いますか、明後日の方向だったりするので
毎日接していても驚きの連続です。


そもそも普通って何やねん・・・


そんな中、あるクライアント(仮にAさんとしましょう)が
こんな相談をしてきました。

Aさんはいわゆる新入社員教育というか、配属された新人さんを指導することが
多くなってきたけれど、当たり前のことができなくて本当にイライラする、と。

よくよく話を聴いてみれば、

●例えば相手先の会社にファックスを送った後に確認の電話をしない
(社会人のマナーとしては「ファックス送りましたけど届いてますか?」と
確認の電話をした方がよいとAさんは思っている)
●A社の見積もりをB社に送る(送る前にちゃんと確認して~)
●メールで要件を済まそうとする
(報告や相談ではなく言い訳。言い訳を聞いても何の対応もできない)
●自分タイムがあるのか相手のことを考えない
(期限ギリギリの提出。チェックする時間が考えて!!)
などなど・・・

こ、こわい・・・



こんなのできて当たり前じゃないですか!
しかもできてないのに悪びれもしないんです!!
こっちがフォローしてもお礼もないんですよ!!!

まるで私が怒られているような気になるような剣幕でした。
本当に般若のような顔で起こっていました。いやー、怖かった。
それに、新人さんたちもAさんが般若のような顔をしていたら
話しかけられないと思うんだけど・・・と思ったのは内緒です。



Aさんは社会に出て何年か経っていますから、
お話してくれたようなことは当たり前に行っているそうです。
私も確かにサラリーマン時代には同じようなことは
できて当たり前だと思っていたと思います。

普段から多くの大学生や平成生まれの人たちと関わっている私としては
ある程度仕方のないような気もするのですが、
ふとAさんに「それって本当にできて当たり前なんですかね?」と聞いてしまいました。


もちろんAさんは「社会人として知ってて当たり前のマナーじゃないんですか?」
と納得のいかない様子。
そりゃ当たり前だと思うんだけどさ、
教えてもらってなかったら出来ないよね?とその時の私は考えていました。

ええと、どうすれば・・・



誰だって知らないことはできないと思うんです。
例えばアフリカの原住民が日本にやってきて、
信号は赤で止まれるか?と聞かれたら・・・

日本で生まれ育った私たちは「赤信号は止まる」と教えられているので
少なくとも赤信号を見たら止まります
(大阪ではたまに無視する人もいますが(苦笑))

たぶん信号と言うものを知らなければ、
「信号を守る」という概念もないはず。

だから知らないことはできないので仕方のないことだと思います。
信号に関しては命に関わるので親切な人が教えて差し上げると思うのですが、
こと社会人のマナーはどうなのでしょうか。

今はどこの大学でもビジネスマナーについては教えているとは思うのですが、
イザ使えるか?となると話は別なのかもしれません。
と言うことで、まずはAさんには新人さんたちにAさんが当たり前だと思っている
社会人のマナーを知っているか?を確認するところから始めることを
私は提案してみました。


交わらない普通。それが当たり前。


後日やってきたAさんに前回の宿題はどうでしたか?と聞いてみました。

新人さんたちに確認してみたらね・・・
「何となく聞いたことあるようなないような」って答えだったの。

そう答えるAさんの落ち込み具合は相当なものでした。
だってAさんにとっては至極当たり前のことで、
社会人としてできていて当然だと思ったいたから。

そうだったのか!


でも平成生まれの新人さんたちは、もの心がついた時には
すでに携帯やスマートフォンと言うツールがあり、
相手を確認せずとも会話ができたり、スタンプ一つで
会話が成り立ったり、それこそ「り(了解の意味)」や
「ま(マジでの意味」のような文字一つで会話できる人たち。
ある意味、察する能力には長けているんです。


コミュニケーションツールが違うので、そもそもの当たり前や
普通の基準が全然違った、という話。
LINEだと「既読」というのが付くので、相手が確認したことは明白だし
相手もその人とだけのやり取りの場面なので、わざわざ届いてますか?
なんて確認もしない。

そりゃ、ファックス届きましたか? なんて電話しませんよ。


と言うことにAさんは気づいたようで・・・
「イチから教えます」と力強く言っていたのは、違う意味で怖かった・・・(笑)


よく「普通はさー」なんて会話をしている人を目にしますが
私は、人によって普通なんてものは違うんだと思っています。

というか、「普通の基準ってなに?」と思うようになりました。
まあ、大多数の人が納得できるものが普通と呼ばれるものなのでしょうが、
自分の普通と相手の普通が同じではない、と言うことを再確認した出来事でした。

きっと、後輩指導や同僚との関係の中で
「普通は〇〇でしょ!」なんて思ってストレスを感じている方も
多いのではないでしょうか。
やり方は一つではありませんし、あなたも相手も間違ってはいないと思います。

それでもストレスが溜まって辛いのであれば
一度お話を聴かせてもらえれば、と思います。
1人で抱えこまないでくださいね。


2020年07月7日 | カテゴリー: 同僚

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