違う人間だから、合わないこともあるかも | Office Aina

「傷つきながら働く人を"0”に!」
厚生労働省人材開発支援事業
「企業内キャリアアップ面談」「人材育成企業内研修」担当

違う人間だから、合わないこともあるかも

育ってきた環境が違うから・・・By セロリ


以前、相談に来られたクライアントさんのお話です。

そのクライアントさん(Dさん)は
とても真面目な方で、周りに気を配りながら仕事を
進めていく方でした。
そして少しだけマイペースな部分もお持ちで、
自分のペースで仕事をしたい人。
やり方なども口出しされるのはあまり好きではない、
と言われていました。


もちろん仕事は期限も守り、仕上げていく人ですので
特に会社で問題になることもありませんでした。
ただ苦手なのは高圧的なアドバイス、
いわゆる「偉そうに命令する人」が苦手だったそうです。

Dさんの職場には年齢は上ですがほぼ同時期に入社した同僚(Fさん)がいて、
同じ仕事をしていたそうです。
そのFさんは以前の職場でも同様の仕事をしていたため、
Dさんに色々とアドバイスをしてきたそうです。

にゃんだかにゃぁ・・・



ただその言い方がとても偉そうで命令口調だったそうで。
Dさんは「同僚なのになんで命令されているんだろう?」
と感じたとか。

もちろんDさんも同じ仕事の経験があり、
全く仕事ができないわけではなかった。

ただ今の会社とやり方が違うこともあり確認を取りながら
仕事を進めていたそうです。

そんなDさんを見てFさんは「〇〇はこうした方がいいのよ!」など、
Dさんの仕事にアドバイスをしてきたそうです。


毎日毎日重箱の隅をつつくようなアドバイスに
段々とDさんはイライラするようになりました。

同僚とは言え、年上なのでDさんは言い返すことができずに
「はぁ・・・」と曖昧に返事していたそうです。


ただDさんは我慢の限界を迎えたらしく、相談に来られました。



Dさんは
「私には私のやり方があって、タイミングとかもあるんです。
それにFさんは私の上司じゃありません。
なんであそこまで言われないといけないんでしょうか」
と涙ながらに話し出しました。


先にも書いたように、
Dさんは少しマイペースな部分と意志の強い部分をお持ちの方だったので、
ちゃんと結果を出しているし仕事を仕上げているのだから放っておいてほしい
という気持ちもあったようです。

そのお話を聴いた私は思わず
「価値観が違うから合わないですよね、それは」と言ってしまいました。

Dさんはキョトンとしていましたがそこからゆっくりお話を進めていきました。


まずは観察してみよう


まずはDさんにFさんの何が嫌なのかをじっくり聴いてみました。
最初は「偉そうに命令するのが苦手なんです」と話されていました。

どんな時にそう感じるのですか?詳細を教えてください、と聴いてみました。

観るのも大切



するとDさんは
「パッとその瞬間だけを見て偉そうに話すのが許せないんです。
その前後のやり取りがあって、今この行動を取っている。
なのに今の行動だけを見て批判してくるんです。
見当違いなことも多いのですが、年上の方なので言い返すこともできなくて・・・」と。


私は、
偉そうに話をされることと前後のやり取りを知らずに口を出すのと
どちらが嫌なんでしょう?
とさらに聴いてみたくなったので、聴いてみました。


Dさんはしばらく考えて
「前後のやり取りを知らずに口出しする・・・方が嫌ですね」と答えました。

「丁寧な口調であっても口出しされる方が嫌かも・・・」とDさんは呟きました。


そしてFさんの偉そうな口調はDさんに向けてだけですか?とも聴いてみました。
するとDさんは「他の人に対してもです!!」と少し食い気味に答えてくれました。



Dさんはすこし考え込んで
「もちろん、偉そうな命令口調は苦手なんですが、
何も知らないのに口を挟まないでほしい・・・と言う気持ちの方が
大きいですね。
たぶん、何でもかんでも首を突っ込んでこようとするのが
私は嫌なんだと思います」と話をしてくれました。


少し落ち着いたのかDさんは
「偉そうな命令口調はFさんの癖なんですね。
私にだけじゃないってわかって少し安心しました。
もう少し観察してみます、Fさんのことも、自分のことも」
とこの日は帰られました。



嫌だと思うだけではどうしようもない
ホンマ、ムカつく~



次に相談に来られた時にDさんが言った言葉です。
「嫌だと思っているだけではストレスが溜まりますね」と。

自分が何を嫌だと思っているのか?ということを
じっくり観察してみたら、
人の話を聞いていない、とか
相手の気持ちを考えていない、とか
自己中心的な感じだったり、他人を大切にしていないのが
嫌だったんだと思います

とDさんは笑顔でお話されていました。


そこまで気づいていただけたのであれば、ほとんど私の出番はないわけですが(笑)


一応、カウンセラーらしく私は、
Fさん自身がきっと先輩たちにそのように育ててもらった可能性が高いですね。
その方法しか知らない可能性もありますね。

逆にDさんは一見放置プレイに見えるけれど、
Dさんを信頼して仕事を任せてもらえる環境で仕事をさせてもらえてきたんですね。

Fさんと同じ価値観で仕事を進めることは少し難しいかもしれませんね。
と私の意見を言わせてもらいました。



Dさんは価値観と言う言葉に何かを感じた様子で、
「私が大切にしているものが、Fさんと同じとは限らないんですね」と。




世の中のすべての人の価値観が同じであれば、
きっと争いなんかないのだと思うんです、私。

そしてストレスを溜める人だって少なくなると思います。

価値観の違う人がいると言うことを知ること。
そしてその人と価値観の擦り合わせをする必要があるのかを考える


あるのであれば方法を考えればいいし、なければそこは適当にヤッチマイナー(笑)です。
あとは、自分自身がその人と価値観の擦り合わせをしてまで一緒にいたい人かどうか
というのも結構重要なのではないかと思います。



なんてお話をDさんともしてみました。



Dさんは
「Fさんとは価値観の擦り合わせをしてまで一緒にいたいとは思いません。
でも仕事は仕事ですので、うまく距離感を取るようにしてみます。
あと、価値観が違うんだから仕方がない、と思うことにします。」
と明るく言い放ち去っていきました。


ちなみに・・・
その後の話をDさんに聞いてみたところ
「価値観が違うから仕方がないな、と思うことで
Fさんなりに仕事に取り組んでいるんだな、と許せる部分も出てきました。
それでも嫌なことは嫌なんですけどね」と笑いながら言っていました。

以前ほどはストレスを溜めることも減りました、とも。



真面目だったり、人と争うことが苦手な人は
自分の気持ちを上手く表現できなかったり、迷惑をかけてはいけないと
我慢してしまったりします。


嫌だと思うことは仕方ありません。

何が嫌なのか?を観察してみれば必要以上のストレスを溜めることも
減るかもしれません。

まずは独りで悩まずに、誰かにお話してみてくださいね。

2020年08月10日 | カテゴリー: 同僚

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