ASD・・・それがどうしたっ!
最初はただの好奇心
この夏、ご縁があって小学生の子どもたちと関わる機会がありました。
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子どものいない私にとって、唯一、子どもと接するのは
甥っ子が帰省してきた正月、夏休み、春休みなどの長期休暇のみ。
しかも二人いるうちの下の甥っ子には「こいつ誰?」な目で見られて
ギャン泣きされる始末。
先の思いやられる私ではありますが、
今年はやったことのないことをやる
と決めていたので、未知なる世界との遭遇をしてみようと
子どもたちとガッツリ関わってみることにしました。
あとは単純に、大学生や高校生の支援をしたことはあるけれど、
小学生ってどうなんだろう?という好奇心がありました。
と言うことで、
「他所様の子育てのお手伝いをするという」大義名分のもと、
ひと夏のチャレンジが始まりました。
十人十色、それでいいのかも
そんなこんなで、実際に小学生の子どもたちと関わる現場に
飛び込んでみたのですが、想像以上に大変でした。
なんで子どもってあんなに元気なの!?
36℃越えの運動場で走り回るし・・・
それを見守る私の方が干からびそうだった。
そんな子どもたちですが、
みんながみんな運動場ではしゃぐわけではなく、
おとなしく本を読んでいる子もいました。
そんな子どもたちを観察していると、
成長過程のソレなのか本人固有の特性なのか曖昧な子もいれば
特性なんだな、と感じる子もいました。
発達障害の完成形と言えば語弊がありますが、
大学生くらいになるとその辺りがハッキリとしてきます。
本人やご家族がその障害を認知しているかどうかは別として、
「んー大丈夫かなぁ」と感じる学生もいます。
私は医師ではないし、臨床心理士でもないので「発達障害である」
と診断を下すことはできませんが、「集団生活や社会人生活で苦労するだろうな」
と言う程度のことは感じ取ることができます。
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ちょっと話がそれましたが、
まあ大きくなればなるほど発達障害=特性・個性が光る機会が
増えてくるのでわかりやすくなってきます。
例えば日常のルーティンが崩れるとパニックになってしまう、
二つのことを同時に進められない、などです。
子どもであれば二つのことを同時に進められないことも
あるでしょうし、
ルーティンなって持っていないこともあるでしょう。
それでもよく観察していると違いが見えてくるようになりました。
怒られるのをわかっているけど楽しいから何度も繰り返す子もいれば、
何故怒られるのかわからないと言った表情で何度も同じことを繰り返す子もいます。
昨日と今日のスケジュールが同じであれば問題はないのですが、
スケジュールの②と③を入れ替えて・・・となると対応できなくなる子もいます。
だからと言って何もできないワケではなくて、
文字を覚えたり書いたりすることが好きだったり、本を読むのが好きだったり
と何か好きなことや得意なことがあるのも事実です。
集団行動なので特別扱いをすることはなかなか難しいですが、
その得意なことを生かしてあげられるような環境を作っていきたいな、
とその時は感じていました。
「好きこそものの上手なれ」
画家の山下清さんも自閉症スペクトラム、いわゆるASDだったのでは?
と言われています。
各地を旅して記憶した風景を自宅で貼り絵として描いていたそうです。
すごい記憶力ですね。
何年か前に中居正広さんがドラマで
サヴァン症候群の青年を演じたことがあります。
記憶力が半端なく良くて、ちょっとしたことで色んな情報が繋がり
事件を解決に導くと言った内容だったかと思います。
確かに私の周りにいる大人のASDの中には、
人の気持ちを感じ取れない人もいますし人との関係の築き方が下手な人もいます。
(かくいう私もへたくそですが)
ですがそれ以上に素敵な能力を持っていることの方が
多いような気がします。
何か一つを極めることややり続けること、
表現する能力など、人とは違う感じ方をする人も存在します。
本人が気づかないまま社会に放り出され、
「注意力散漫」や「仕事ができない」などと
言われている人もいるかも知れません。
もしくは自分の友人や大切な人が
そんな状況にいる人もいるかも知れません。
中にはただサボっているだけの人もいるかも知れませんが、
本人が真面目に取り組んでいるのに上手くいかないのであれば、
それは自分の特性とその環境・状況があっていないのかも。
人間、頑張ってできることとできないことがあると思います。
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私が今から頑張って医学部に入って医者になっても
一人前になるころにはきっと定年近い年齢で目も体力も衰えて
役に立つのは難しいかもしれません。
だったら今持っているものを磨いて、
人の役に立つ方が手っ取り早くないですか?
なんて思います。
ASDかもしれない人たちも、得意なことや好きなことがあります。
できれば、その能力を生かして楽しく時間を過ごしてほしいと思うのです。
最後に「日本理科学工業」という会社を
ご紹介しておきたいと思います。
ここはいわゆる障がい者(特に知的障害)と言われる方が
社員の7割を占めています。
しかしこの会社が作るチョークは日本一だと言われています。
言われたことは寸分違わずキッチリ行う、
ずっと同じことをやり続けることができる、
と言った特性を生かした結果です。
もちろん多くの紆余曲折や工夫はあったはずですが、
できないことに目を向けるより、その特性を生かすことを考えた結果だと思います。
自分自身もそうですが、子どもや友人なども含めて、
できないことを悩むよりできることを楽しむ時間を創る
ということを私は提案していきたいな、と思います。